性病もしくは性感染症
(STD, Sexual Transmitted Disease)

性感染症とは / クラミジア尿道炎 / 淋菌感染症 / エイズ

混合感染 / 日本のエイズの現状/

”どうすんだ性病対策”


性感染症とは

1. 性感染症とは
 1) 性行為(性交)にともなって感染する病気。
 2) キス、オーラルセックス、アナルセックスでもうつる。
 3) 男女間とはかぎらず男男間でもうつる。
 4) 女性同志でうつることはまれである。
 5) 手や,一緒に入浴したぐらいではほとんどうつらない。
 6) したがって、性行為をしていないヒトにはおこらない病気である。
 7) 女性に多い急性膀胱炎(ぼうこうえん)とは全くちがう病気。
 8) 排尿の症状があれば泌尿器科,女性は婦人科を受診する。
 9) 検査も,薬も保険がきく。
                   
2.性感染症の種類(多いもの順)
 1) クラミジア尿道炎
 2) 淋菌性尿道炎
 3) エイズ
 4) 性器ヘルペス(皮膚科の病気)
 5) コンジローム(皮膚科の病気)
 6) ケジラミ(皮膚科の病気)
 7) マイコプラズマ




クラミジア尿道炎とは

1) どんな症状? (女性の80%は症状がない!)
  感染(性行為)後、5-10日で排尿の時に痛い、かゆい、むずがゆい。
  性交だけでなくオーラルでも感染する。

2) なぜ怖い? 
  男女とも不妊症(こどもができない)の原因になる。
  女性は子宮外妊娠の原因、子宮付属器の炎症の原因。
  生まれたこどもに結膜炎(トラコーマ)や肺炎をおこす。

3) 検査 
  血液(血清クラミジア抗体 IgM,IgA)--完全に治っても陽性のまま続く
  尿中クラミジアPCR
  分泌液中クラミジアDNA 
   *どの検査も保険がきく。
*血液(抗体)検査陽性は,現在か過去に感染したという証明。尿,分泌液が陽性なのは,現在感染してるという証明.これがもとのトラブルは”どうすんだ性病対策”を参照.

4) 治療 
  多くは抗菌剤の服用を1-2週間すればなおる。
  ただし、セックスパートナーも完全になおすこと。
  薬の費用はすべて保険がきく。

  薬が効かないのも増えてきたので注意!

5) 予防
  コンドームしかない(参照:どうすんだ性病対策

6) ほかの病気との関連
  淋病、梅毒などいっしょにうつることがある。
  エイズもいっしょに感染する可能性がある。

7) そんなに多い病気か?
  若い健康な成人男子で7%がクラミジアに感染したことがある。
  結婚している妊婦の15%がクラミジアに感染したことがある。
  未婚の妊婦の30%がクラミジアに感染したことがある。
  男子の尿道炎のうち40%がクラミジアに感染したことがある。
  このうち10%が梅毒に感染したことがある。
  性風俗従事者の80%がクラミジアに感染したことがある。
  このうち10%が梅毒、20%が肝炎に感染したことがある。

8) 難しくは
  Chlamydia trachomatisを病原菌とする。
  クラミヂアは大きさが一般細菌とウイールスの中間の小球菌。10%ほどに薬に抵抗力をもった菌がいる。要注意。
  クラミヂアは大きさが一般細菌とウイールスの中間の小球菌。



淋菌感染症とは

1) どんな症状? (症状がないのもある)
  感染(性行為)後、7日以内に尿道から黄色のウミがでる。
  女性は黄色のおりもの。
  小便時に痛い、尿の出口が赤い。
  性交だけでなくオーラル、アナールでも感染する。

2) なぜ怖い? 
  男女とも不妊症(こどもができない)の原因、
  男性では将来、尿道狭窄の原因になる。
  子宮外妊娠の原因、子宮付属器の炎症の原因。
  産婦が感染していると、こどもに結膜炎(淋菌性)をおこす。

3) 検査 
  分泌液を染色して顕微鏡でみる。
  分泌液や尿を培養する(3-5日かかる)。
  ***染色はすぐに結果がわかる。
  ***培養は結果に時間がかかるが,良く効く薬を選べる。

4) 治療 
  多くは抗菌剤を4,5日服用すれば十分。
  ただし、セックスパートナーも完全になおすこと。
  ***検査も薬も保険がきく。

5) 予防
  コンドームしかない(参照:どうすんだ性病対策

6) ほかの病気との関連
  クラミヂア、梅毒、肝炎などがいっしょにうつることがある。
  30%の人はクラミヂアも感染している。
  エイズもいっしょに感染する可能性がある。

7) 誰から感染するのか? (1988年)
  男性の場合、44%がソープランド、15%がデートクラブやホステス、
  13%が友達、12%行きずり。
  女性の場合、60%が友人、30%が夫。

8) 難しくは
  Neisseria gonorrhoeae(淋菌)を病原菌とする性感染症。
  最近ペニシリン耐性菌が増加(10%)して問題になっている。
  DNA診断が可能になり、100%の正確性がある。

最近,非淋菌性,非クラミジア性の尿道炎も多い.


性行為感染症の予防はコンドームしかない.

参照:どうすんだ性病対策


エイズ

(AIDS: Aquired Immuno-Deficienvy Syndrome、後天性免疫不全症候群)
 -この項で述べるエイズとは性行為に原因するもので、
  薬害エイズのことではない。

1. どんな病気
  免疫不全ウイールス(HIV)によって感染する性感染症。
  性行為によってうつる。
  性交だけでなくアナールでも感染する。
  感染源になるもの:血液、精液、腟分泌物、母乳
  感染源にならないもの:便、尿、鼻汁、タン、涙、汗

2. 診断
  ほとんどが長期間症状がない。
  症状が出るまで数か月から10年。
  診断は血清の抗体検査のみ。
  抗体は感染(性行為)後、3か月以内に陽性になる。
  感染直後、感染3か月以内は抗体が陰性であってもあてにならない。           

3. 感染から発症まで
  (1) 急性ウイルス感染
     感染して2-8週間後(この時期のみ抗原陽性)
     発熱、リンパ節腫脹、咽頭痛、発疹、筋肉痛、関節痛、
     インフルエンザ、伝染性単核球症と診断されやすい。

  (2) 無症候性キャリアー
     症状がなく、感染に気づかず経過する。
     約10年

  (3) エイズ関連症候群
     エイズに特有の病状ではないが、そのまえぶれ。
     全身倦怠感、発熱、下痢、体重減少
     
  (4) エイズ発症
     エイズに特有の症状が出る。(23項目ある)
     日和見感染症が主
      (通常のヒトが感染しても発病しないような病気になる)
     悪性リンパ腫、中枢性神経障害を経過して、
     4-5年で死に至る。

4. 治療法
  発病を遅らせることはできる.
  ウイールスを原因とする病気を根治的に治す方法は
  確立されていない。

4. 予防法
  禁欲(セックスしない)。
  HIV感染者でない性的パートナーを選ぶ。
  コンドームにより感染の危険性をおさえることが出来る。

5. 他の病気との関連 (HIV疫学調査研究班1955)
  エイズに感染している男性は30%がクラミヂアに感染している。
  エイズに感染している男性は24%が梅毒にも感染している。
  エイズに感染している男性は30%が肝炎にも感染している。

混合感染がこわいのだ

  エイズに感染している男性は30%がクラミヂアに感染している。
  エイズに感染している男性は24%が梅毒にも感染している。


日本のエイズ現状(厚生省発表)


説明
薬物乱用とは麻薬常習者のこと、
凝固製剤とはいわゆる薬害エイズの患者さんたち


性病が無くならない理由?

性病にかからないためには?

忘れてはならないのは、
性行為感染症は自分の意志で避けることが出来る病気。
世の中には自分の意志とは関係なく患う悲惨な病気がたくさんある。



                    ホームページへ戻る