マイホームと司法書士

 人の一生にとってマイホームを買う、建てるというのは大切な事業です。そこは家族を育み、自分自身が安らぐ最高の空間となるからです。

 マイホームを購入予定のあなたは購入にあたってなにをお考えになりますか。おそらく資金やローンのご返済のこと、そして家の外観や間取り、インテリアのことなどだと思います。お子さんをお持ちのご家庭であれば、生活環境にも気を配られることでしょう。

 これらすべてをあなたのご満足のいくようにするためには、かなりの長期間に渡る綿密で周到な計画が必要です。

 しかし、多くの人はどこでどのようにすればよいかをよくわからないと思います。そのためにたくさんの企業や専門家が存在し、それぞれの技術や知識、経験を駆使してあなたの計画を現実のものにしてゆくのです。

 その流れの中にあって、私達司法書士は「マイホームの権利関係」であなたの計画のお役に立つ仕事をしています。

 その第一は、土地建物の履歴書の役目を持つ「登記簿」にあなたが所有者である事を登記する手続の代理です。登記によってその土地建物が間違いなくあなたのものであり、他人の不当な侵害を防ぐことができます。

 次に、あなたが住宅ローンを利用しますと金融機関はあなたの土地建物を担保にしますが、それを登記することによってはじめて資金が供与されます。また、不要になった担保権は抹消登記しなければなりません。

 更に、担保権だけでなく、地上権、地役権、賃借権などマイホームに関連すると思われる権利もみな同様です。このようにマイホーム、即ち土地建物に関するあなたの権利を守るためには、きちんとした登記手続をする必要があるのです。

 昔から、土地建物取引の場に司法書士が立ち会うことが多くあります。これは売主買主ほか関係者が間違いない取引をしたいという要望があるからなのです。なぜなら私達がこの取引の場面に立ち会うことでさまざまなトラブルを防止できるのです。たとえば、書類が足りなくて登記手続ができなかったり、その書類が偽造されたものであったり売主が別人であったり、違う土地を登記してしまったり、担保がついたままであったり、そのほか数え上げたらきりがないくらいの事故を未然に防ぐことができるのです。一方私達にも高度な注意義務が要求されますのでその責任はとても重大です。私達は売主や買主に人違いがないかどうか、意思の疎通は充分かどうか、売買の条件に不備不足がないかどうかなど万全の注意を払いながら取引を進めます。

 更に、最近は税金のことにも気を配るようにもなりました。売買や贈与にかかる税金は事前に欲打ち合わせしておく必要があります。登記してしまってからでは遅いのです。

 このように私達司法書士は、土地建物の取引において「予防法律家」としての役割を果たしています。