人権尊重都市宣言のまち倉吉
「相手の気持ちを考えて」 

差別のない明るい社会へ (207)
「受動喫煙」とは、たばこを吸わない人でも吸っている人の近くにいるだけで発癌物質や有害物質を吸い込むことです。たばこを吸わない人を受動喫煙から守ることは、人を大切にすることです。


 世界保健機関は、1989年から5月31日を「世界禁煙デー」と決め、全世界でたばこを吸うのをやめようと提唱しています。
 2001年は、「他人の煙が人を殺す、空気をいつもきれいに!」をスローガンにして、受動喫煙の有害性を訴えました。先進諸国では喫煙対策が進み、成人男子の喫煙率が50%を超えているのは日本だけです。
 米国では受動喫煙をマナーの問題と言うだけでなく、「生きるか死ぬか」の生存権の問題となっています。
 2003年5月に施行される「健康増進法」では、多数の者が利用する施設(学校・体育館・病院・集会場・飲食店等)の管理者に、受動喫煙を防止するための必要な措置を講ずるよう義務づけています。
 たばこは嗜好品であり、成人の喫煙については法律で禁止されていません。吸うか吸わないかは個人の自由な意思に基づくべきものです。
 しかし、この「自由な意思決定」は、たばこが健康に及ぼす影響や周囲への影響にも配慮した意思決定であることが大切です。
 たばこを吸わない人が煙にさらされない配慮も「権利」として尊重されなければなりません。
 たばこを吸うことの害は、科学的にも明らかにされており、禁煙車両の増加や公共施設の禁煙ルーム設置は常識化されています。しかし、まだ分煙措置は十分でなく、日常的には、たばこを吸わない人の前でも平気で吸うなど、多くの職場で嫌な思いをしながら仕事をしている人もたくさんいます。
 また、「友だちにはたばこをやめてと言えても、上司や年上の人、どこかの役員さん方には断る勇気を出せない場合もある」という声もあります。
 家族の誰かが吸っていれば、その中で育つ子どもたちは、たばこの害にさらされて生活しているのです。
 自分の気持ちをきちんと伝え、相手の気持ちを理解しようとする。そんな人間関係をつくることは「相手の気持ちを考えて」人を大切にすることではないでしょうか。

(部落解放・人権啓発資料作成委員会 向井)
市報くらよし 平成15年3月1日発行



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