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DXビジョン・DX戦略
「情報処理の促進に関する法律」に基づくデジタルガバナンス・コード3.0に対応し、当社のDXに関する取り組みを公表します。以下、同コードの柱立て(1.経営ビジョン・ビジネスモデル/2.DX戦略/3.DX戦略の推進〈組織・人材・ITシステム/サイバーセキュリティ〉/4.成果指標の設定・見直し/5.ステークホルダーとの対話)に沿って記載します。
1. 経営ビジョン・ビジネスモデルの策定
行政インフラを革新し、
市民が安心して暮らせる社会をつくる。
社会及び競争環境の変化:地方自治体は少子高齢化・職員不足・財政制約という構造的課題に直面し、国のガバメントクラウドや自治体システムの標準化が進んでいます。この自治体DXの進展により、防災行政無線の運用管理もクラウドでの管理が標準になりつつあり、入札仕様にも「クラウド対応」「遠隔監視」「運用データの可視化」といった要件が登場し始めました。生成AI・IoT等のデジタル技術の進化により、機器の稼働データ・放送ログ・災害情報といったデータを取得し活用できるかどうかが、当社の提案力・保守品質・受注機会を左右するようになっています。あわせて、自治体の予算編成・実施計画・入札公告といった情報は従来から公開されており、生成AIの進化によって、これらを横断的に収集・解析することが現実的になっています。
当社が変わる場合の機会:防災行政無線の運用管理を制御するソフトウェア・データ領域は、自治体ドメイン知識・ソフトウェア開発力・データ活用力を併せ持つ事業者だけが担える領域です。クラウド化によりログ解析の自動化と複数自治体への横展開が可能になり、ストック収益化が進みます。当社は自治体との直接の運用接点と自社開発力を併せ持っており、仕入転売型からソフトウェアとデータで価値を生む製品メーカーへ転換する好機と捉えています。
上記のリスクを回避し機会を獲得するため、当社は「現場で確実に動くインフラ」と「クラウド・データ活用の利便性」を両立させ、持続可能な行政運営に貢献することを経営ビジョンとして定めました。デジタル技術で事業構造そのものを転換し、地域の安心・安全を支える存在を目指します。
このビジョンを実現するため、地域の通信インフラ(ISP・データSIM)を基盤に、上記のリスク・機会に直接対応する次の3事業を展開します。
同報系防災インフラを制御する親卓・運用管理装置を自社開発し、ソフトウェア資産で価値を生む製品メーカーとして提供します。
複数キャリアのMVNO・ローミングを組み合わせ、地理的死角のない接続性を提供し、IoT機器の通信基盤としても展開します。自社サービスとして提供するため、親卓・子局の通信手段を自ら設計でき、回線の契約・利用状況も自社で把握できます。
オンプレミス資産のクラウド移行、可用性設計、コスト最適化を、お客様の課題を起点に支援します。自社製品のクラウド化で得た実践知をそのままサービス化するものです。
これらを貫くコア戦略として、同報の確実性とクラウド・データ活用の利便性を繋ぐ「ハイブリッド運用管理」を据え、フロー収益からストック収益への転換を図ります。
2. DX戦略の策定
1.で示したリスクを回避し機会を獲得するため、ビジネスモデル①〜③のそれぞれを実現するための方策として、次のDX戦略を推進します。各戦略は「どのデータを、どう分析・活用し、何を変えるか」の形で定めています。
ビジネスモデル①を実現する方策|対応:応札機会の喪失/運用体制の老朽化/運用標準を握る位置
親卓・運用管理装置を「単一のコアをオンプレミス/クラウドの両方にデプロイできる」アーキテクチャに刷新し、クラウド管理が標準となった案件に応札できる状態を先行して確保します。そのうえで、親卓・子局の稼働状態、放送ログ、障害履歴、機器の設置年次をクラウド上に収集・蓄積し、ログ解析を自動化して故障の予兆と更新時期を分析します。これにより、現地への駆けつけと経験に依存した運用から予防保守と計画的な更新提案へ転換し、メンテナンスコストを抑えながら、価値の源泉を機器の納入からソフトウェアとデータへ移します。あわせて自治体クラウドのセキュリティ要件(LGWAN-ASP/ISMAP等)への適合を見据えた設計を進めます。
ビジネスモデル①②を実現する方策|対応:顧客接点の喪失/長期の顧客関係
当社のISP・データSIMを親卓・子局の常時接続回線として組み込み、同報無線の確実性とIP/クラウドの利便性を二重化した「ハイブリッド運用管理」を構築します。当社が提供する回線の契約・利用状況と、装置側で取得する疎通・稼働の記録を突き合わせて分析し、通信品質の劣化や解約リスクの高い顧客を早期に特定して優先的にフォローします。これにより、納入時点で関係が終わる取引から、運用データを介して自治体と日常的に繋がり続ける関係へ移行します。
ビジネスモデル①③を実現する方策|対応:営業機会の取りこぼし/先回り営業の余地
全国約1,700自治体の予算編成サイクル、防災行政無線の更新周期、過去の案件発生履歴を、案件・顧客・対応履歴等の社内データとあわせてNotion上に整備し、AIエージェント等のデジタル技術を用いて分析します。ここから翌年度に予算化される可能性の高い自治体を絞り込み、予算編成が始まる時期に先回りして提案します。個人の人脈と経験に依存していた営業をデータに基づく計画的な営業へ転換して受注サイクルの偏りを平準化するとともに、暗黙知だった自治体ドメイン知識を形式知として蓄積・継承します。
ビジネスモデル①③を実現する方策|対応:10年周期の売上変動リスク/複数自治体への横展開
(1)〜(3)で蓄積した稼働データと運用ノウハウを、サブスクリプション型のクラウド運用管理サービスとして提供します。クラウド化した運用管理は一度構築すれば複数の自治体へ横展開でき、10年周期の更新需要に従属するフロー収益から継続課金のストック収益へ転換して売上変動を平準化します。あわせて、自社のクラウド移行で得た知見を自治体・地域企業向けのDX支援サービスとして外販します。
| 増大するリスク/失われる機会 | ビジネスモデル | DX戦略 | 成果指標(4.) |
|---|---|---|---|
| 応札機会の喪失/運用体制の老朽化・メンテナンスコスト増大/運用標準を握る位置 | ①親卓・運用管理装置の自社開発 | (1) 稼働データのログ解析による予防保守・更新提案 | クラウド対応の親卓・運用管理装置の製品化 |
| 顧客接点の喪失/長期の顧客関係 | ①+②通信インフラ | (2) ハイブリッド運用管理 | クラウド対応の親卓・運用管理装置の導入自治体数 |
| 営業機会の取りこぼし/先回り営業の余地 | ①+③DX支援 | (3) 自治体・案件データによる先回り営業 | データに基づく提案を行った自治体数 |
| 10年周期の売上変動リスクの固定化 | ①③ | (4) ストック収益への転換 | ストック型収益比率(約38% → 3年で50%超) |
3. DX戦略の推進
4. 成果指標の設定・DX戦略の見直し
| 指標 | 現状 | 目標 |
|---|---|---|
| ストック型収益比率 | 約38% | 3年で50%超 |
| クラウド対応の親卓・運用管理装置の製品化 | 構想段階 | 1〜2年で初号機(β)リリース |
| クラウド対応の親卓・運用管理装置の導入自治体数 | 0 | 3年で複数自治体に導入 |
| データに基づく提案を行った自治体数 | 0 | 3年で年間30自治体 |
| 重大インシデント件数 | 0件 | 0件を維持 |
| 情報セキュリティ教育の受講率 | 100% | 100%を維持 |
※各指標とDX戦略の対応は、2.(5)の対応表のとおりです。
※自治体入札の仕様に「クラウド」要件が登場し始めており、先行してクラウド対応の親卓・運用管理装置の開発を進めています。
5. ステークホルダーとの対話
株式会社アピオン 代表取締役 武本 純知
公表日:2026年6月29日/最終更新:2026年6月29日