倚子の会 河本緑石 八橋(やばせ) PTAについて 押本電波(休) なぜ倉吉西高なのか 

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最終更新日2012/05/18

短歌のジャニーズJr.(高校生・中学生の作品です) 

70号から 69号へ 68号へ 67号へ 66号へ

宮路 真行(高2)

カブトムシ見て喜んだ僕はいないあの日の心はどこへ消えたか

もやもやの霧立ち込める街並みに信号の灯ほのかに反射す

西日が沈んだ後の街並みに街灯だけがさみしく灯る

ここだけは絶対似たくないところでだんだん似てくる自分の親に

何気なく相撲をテレビで見ていたら元気な頃の祖父思い出す

臼元 亜可理(高2)

病院の診療台に乗った「なな」がたがた震えて私を見ている

先生のやさしい声に少しだけホッとしたのかお座りする「なな」

「採血します」と注射器見せられて「なな」はくんくん匂いかいでる

「ななちゃんはいい子ですね」と褒められてまたこの病院に来ようと思う

「かわいいね」といわれてニッコリ振り向けば視線は「なな」へ私じゃないのか

山下 拓(高2)

枯れた感じになってしまった昼寝がささやかな私の楽しみ

危ない自分であるのにそうでない変な気がする昼下がり

またここだ いつもここで外れるチェーンを少し直してみる

誰かいる私の後ろ誰なのか見えないけれど妙に重い

夢の中で彫られた階段 木の株に下りていっても何も無かった

探しても見つからない 散らかしてるから? 僕のボケ?

座れない列車にいつも乗っている鞄が軽けりゃ楽なのに

店員が嫌な目で見る本を買う 悪趣味だから? もう慣れた

夢の中今日は森で死んでいた明日は何処 できればあそこ

69号から 70号へ 68号へ 67号へ 66号へ

臼元亜可理(高2)

玄関のドアを開けると独得の静けさ聞こえるまだ夜明け前

瞬きをするたび空は白んできて目を覚ますたび自動車は増える

田尻 麻奈(高2)

感情に呑み込まれるのが怖いからコンクリートの街へ逃げ込む

笑顔すら作られたモノだと気づいたら笑ったあとでひどく疲れる

堂園 まみ(高2)

校門の満開だった桜の木今は若葉が生い茂っている

青空が若葉の緑をきわだたせ春の陽気を誘い出してる

宇都宮 充(中1)

図書室の本のすべてが僕を見て読めよ読めよと騒ぎ出す

大迫 絢加(中1)

雨の日はみんな廊下でしゃべっているいつもはいない人も混じって

河野 文利(中2)

一年間早かったけどこの僕は一度も声を出さずに過ごした

呼ばれても返事さえせず時が過ぎ僕の心は貝になった

湯田 琢馬(中2)

アメリカは誤爆誤爆と言いながら絶対わざと落として誤爆

みんな見てほとんど戦争の歌を書く戦争反対の短歌を書いてる

戦争の2字は同じ意味戦い争う恐怖の言葉

青愛想ら雲一つない大空の日本は平和だいい国に生まれた

春になり恋の季節が近づいて僕の季節は遠のいていく

年上がり思えば僕はある年に追いついていくそして独身

倉元 誠矢(中3)

一年の時をはっきり思い出す君はまだ水泳やってるか

68号から 67号へ 66号へ  69号へ  70号へ

金丸 翔吾(高1)

冬の朝一人外に出てみると白い息が宙を漂う

朝起きて窓の外を眺めたら少し遅めの朝日輝く

日が落ちて道路添いの街灯が川に映って小さく揺れる

高橋 朋宏(高1)

すぐ傍らで裏切り企む友の笑み知らぬふりして廊下を歩く

青空を弱い日射しと白い雲北風の音に冬の気配を

坂道を下る途中で踊るシャツ肌寒い朝の風とともに

山下 拓(高1)

いい匂いいいつつもあの家おいしそう今日はシチュー? 学校がえり

宮路 真行(高1)

浴衣着た姿を見せる妹になぜかさびしくなぜかうれしく

トタン屋根奏者のいないコンサート音に聞き入り雨宿りする

十円を別の缶に貯金するとくに意味はないのだけれど

穏やかな秋の日差しが差し込んだ田舎の駅の小さな駅舎

臼元 亜可理(高1)

手紙には元気ですよと書いたけれど君と会えずに実際はブルー

運動会転んで泣いた保育園そんな私はもう十六歳

前田 愛(高1)

いつもなら笑って返せる冗談を今日はなぜだか返せなかった

ちっぽけなこんな私の言葉でもあなたに気持ち伝わるかしら

内村 浩之(中1)

夕焼けを見ながら今日を振り返るあまりいいことなかったなあ

福澤 茜(中1)

学校へ行くまで私は凍っている寒さのあまりお腹が痛い

藤野 智也(中1)

けんかをするのは絶対いやだけどたまに言っちゃう本当のことを

金持ちを自慢するヤツむかつくよお前がかせいだ金じゃないのに

67号から 70号へ 69号へ 68号へ 66号へ 

臼元 亜可理(高1)

犬を買う七月七日の七夕に名前はそのまま七七(なな)と名付ける

なぜ吠えぬ馬鹿か利口かわからぬがそれでも一番わが家の七七(なな)は

母が言う成長していく七七(なな)を見て一緒なんだね人間の子と

山下 拓(高1)

ぐるるるるぐるるるるるるるるるるる十二時丁度のお知らせです

夢の中そこはガッコ(学校)で授業中だけどそこには私はいない

高橋 朋宏(高1)

坂道を下る自転車早朝に直した寝ぐせ復活してる

君と朝交わした言葉の「お早よう」は今日の気分を決めた一言

堀下 洋平(高1)

スプレーをかけたが逃げた大蜘蛛が翌日死体で発見される

暑いなか急な坂道自転車と一つの影が仲よくのぼる

三宅 祐(高1)

みんなには優しい母だと言われてるが家の中では鬼に変身

金丸 翔吾(高1)

ミスチルが大好きなその少年は「俺の青春!」と熱く語る

中島 港人(中1)

晴れた日に見ることの出来る滝の虹悪い心を忘れてしまう

八木 諒(中1)

汗かいた頭の上は燃えていた見上げてみると真赤な太陽

東 裕己(中1)

菊祭りいろいろな花あるけれど人の形で動くと不思議

堂園 るり子(中3)

空と海どっちも同じ青だけどどっちも違う青なんです

小幡 翔(高2)

雨雲に星の光は遮られ漆黒の海に魅入る夏の日

透明な氷を頬張り汗を拭く籠もる熱気が少し憎らし

霧島に雄々しい夕日が沈むとき消えゆく緋色は夕焼けを生む

群青の夜の帳に包まれて厳かなれど霞む霧島

66号から 67号へ  68号へ  69号へ  70号へ

鮫島 玲(高2)

風に乗り共に去り行く春景色影から伸びた右手に掴まれ

朝露に共に消え行く友の影いつかはきっと戻ってくるから

「サヨナラ」の影と永遠の旅をしよう始まりかけた劇をかき消しに

飛べるカナ?窓に足掛けふと思う試してみようかある晴れた日に

……ボクの詩が遠い何処かで色々な人に読まれているのはちょっと不思議な「感じ」です。

立ち止まって考えてみると、短歌って不思議なモノですね。たった31文字の限られた自由、

ボクの短歌への共感はそこにあるのかな?と思ってみたりします。

松山 修子(高2)

携帯のアラーム響く午前2時伝えられない誕生祝

広告の裏に何度も描いたんだ言えずじまいの「あなたがすき」を

あの人を思って何度見ただろう同じくらいに細い三日月

小幡 翔(高2)

窓を打つ荒れ狂う風をふと見れば五月雨の白が視野を染める

物憂げな灰色の霧が身を包み急なこの雨に軽く舌打つ

おぼろげな梅雨の夜明けの紫とはかなく霞む野山の影と

濱田 澄香(高1)

バスタオル取り込む前に見付けた花粉をつけた小さな蜂

川島麻里江(高1)

きらきらと季節はずれの花火より夏の匂いが舞いおりてくる

金丸 翔吾(高1)

仕事する親父の姿見ていると逞しい父親に見えてくる

宮路真行(高1)

人はなぜ大人になってしまうのか五つの僕はとても不思議だった

町並みを照らしつづける街灯がさびしさのこしポツンと消える

数学をどんなに勉強していても恋の計算誰にも解けぬ

バイバイが一緒に帰ろうに変わるまでどれだけ待てばくるのだろうか

砂川 珠輝(中1)

初めての自転車通学真っすぐに風切る汗も初心者マーク

妹としっかり結ぶ小さき手虫取り網の黄色目に染む

森下 千歩(中1)

弟の青い大きな鯉のぼり風が吹くたびにからみつく

山下 拓(中1)

そよ風が吹く日は必ず歩きたいいろんな風が香るから

そよ風が私の眠けを誘い出し暖かい日ざしがとどめを射す

オレ一人クラスで浮いた存在だ誰でもいいから半袖にしてみない?

戸惑いと迷いの中で生きているそんな私は私じゃないのに

高橋 朋宏(高1)

ケンカした夜は何だか腹が立つ素直に「ごめん」と言えない自分に

無視されるそれよりはまだ笑われたいじぶんの存在ここにあるから

何回も言っているのに信じてない本当は僕は双子の兄貴

バス停でおばさんたちと出会ったら孫の自慢を聞かされ続ける

運命かそれともただの偶然かエックスジャパンのポスター発見!

色あせないエックスジャパンのメロディーが激しく僕の頭を刺激

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