With   〜した状態で、〜したままで、〜しながら

speak with a pipe in one's mouth パイプを口にくわえて話す
speak with your mouth full 口にものをいっぱい入れたままで話す
sit with one's eyes closed 目を閉じてすわる
stand there with one's hat off(on) 帽子を取って(かぶったまま)そこに立つ
An ambulance car was parked with its red light flashing. 赤いライトを光らせながら
The bird landed with its wings extended. 翼を広げて
With prices so high, we'll have to cut down our living expences. こんなに物価が高くては、生活費を切りつめなければなるまい。
With night coming on, we closed our shop. 夜が近づいたので閉店した。
I can't play cards with all these dishes to wash. この皿をみな洗ってしまうまでトランプで遊べない。
wormed into a sitting position with his back against the wall 壁にもたれて
He sat on the bed with his arms clutched in on himself, crying hard. 両腕で我が身を抱きしめながら
Cris was sitting upright now, leaning forward with
his forearms resting on his thighs.
腕をももにおいて
the children stared at him with eyes swollen wide
with apprehension
目を大きく見開いて
Flaherty still sat with his hands behind his head. 頭のうしろに手を組みながら
looking down on Quincy Market with his hands clasped behind his back 手を後ろに組んで
He sat in the parked car for a time with the envelope unopened in his lap 封筒を開けずに膝の上に置いて
lay down on the bed with the pillow propped 枕は立てかけて
With her mouth still touching his, Laura said, 彼女の口でなお彼の口に触れながら
He was leaning with his forearms resting on a piling. 両腕を杭の上に置いて
The room had begun to fill up now, with men in name brand suits and women in designer dresses. 男たちは一流ブランドのスーツ、女たちは有名デザイナーのドレスを着て
in the afternoon, with the sun warm on his back 日に当たって背中がぼかぼかした
lay beside him with her head on his shoulder 頭を彼の肩にのせて
He sat with his pale fingers laced in his lap, one leg crossed over the other. ほっそりした指と指を膝の上でからませ、足を組み
on the day after Labor Day, with a gray rain falling on Quincy Market outside the mayor's window クインシー マーケットに灰色の雨が降っていた
Flaherty stood behind his desk with his coat off. コートを脱いで
stood against the wall with his arms folded 腕組みして
in front of the liquor store with the blue lights turning on the squad cars 青い光を回転させたままで
he fell all at once,landing on his left side with his legs twisted uner him 足をひねりながら
Cassidy said with no emotion in his voice. ぶっきらぼうに
 

英語表現ノート

 イギリスに滞在し英語学校に通っているある劇作家が雑誌で「had betterが、〜したほうがいい」と教えたのは誰だ、と日本の英語教育に対して怒りの文章を書いていた。日本の英語教育は役に立たないなどという批判もよくされる。でも、私はそうは思わない。私自身の経験から述べれば、10余年、英語と無縁の生活をしたのち、中学校の英語の教員になった。ALT(当時はAETと言った)との会話にはとまどったが、英語を読んだり、書いたりすることにはそう困ることはなかった。英語の基礎は、中学、高校の英語の授業でつけてもらったことを感謝はすれ、批判すべきことではない、と思う。しかし、自分の中に英語に対するおもいこみとでもいうことがあることも確かである。ALTとティームティーチングの授業をしたときのこと。ALTはアメリカ女性だったが、oftenをオフテンと発音した。私はオフンと言い直してもらった。なんと傲慢だったことか、と今は慚愧に耐えない思いがする。「今のALTは冠詞のaをエイと発音して困る。」ということを他の英語教員から聞いたこともある。ALTが登場するまでは、私たちが習ってきたことを生徒たちに教えればよかった。ところが、ネイティブスピーカ ーの英語には、私たちの習ったことと違うことがいろいろ出てきた。わたしは、もっと謙虚になればよかったのである。ところが、ALTに問い返すこともせず、書物にあたることなく、時間にかまけて今日まできてしまった。
 このたび、やや時間的なゆとりができたので、幾冊かの本を手にすることができた。いかに自分が怠惰で傲慢だったかを感じずにはいられない。以下私がこれらの本から学んだことを取り上げてみたい。
取り上げる本は以下の通りである。
1,各務行雅『どうしてそんな英語使うの?教室では学べないネイティブ感覚の英語』(研究社)@
2,大西泰斗/ポール・マクベイ『ネイティブスピーカーの英文法』(研究社)A
3,副島隆彦『英文法の謎を解く』(ちくま新書)B
4,副島隆彦『続・英文法の謎を解く』(ちくま新書)C
5,西村公正/ポール・ケリー『発想の違いがまねく日本人英語のミス200』(研究社)D
6,西村構成/ポール・ケリー『続日本人英語のミス200』(研究社)E
7,新津信治/里中哲彦『たたかう英文法』(洋泉社)F
8.酒井志延/藤田真理子『英語発音クリニック』(大修館)G
英和辞典
 チャレンジ英和(福武書店)@
 ジーニアス英和辞典(大修館書店)A
英英辞典
 Oxford Advanced Learner's Dictionary(Oxford University Press)@
 The Newbury House Dictionary of American English(HEinle and Heinele)A
英語文法書
  高梨健吉P『高校生の新基礎からの英語』(美誠社)@
  江川泰一郎『英文法解説』(金子書房) A

(1)had better は「したほうがいい」か?

  さっそく、冒頭の劇作家氏の怒りの対象にしている表現「had better」についてみてみる。
各務氏の「どうしてそんな英語使うの?」(以下書名などの後にある数字で表すことにする。この書名は本@として表記する。)では、「『どうして学校で何十年もの間、had betterは「〜したほうがいい』、shouldは『〜すべきである』と間違って教えられてきているのでしょうか。それに、どうやらこれは何も日本人だけでなくて、台湾や韓国などアジア諸国からの留学生の多くが誤用している典型的なミスでもあるようです。このhad betterは普通、親が子供に強く注意したり、学校の先生が生徒に注意を喚起したいときに使われます。
   

Mother: You'd better do it right away, dear.(今すぐにしなさいよ。)

 Son: Yes, Mom. (はい、お母さん)

つまり、上下関係がはっきりしていて、たいていの場合上から下に向かって発せられるものです。一方、shouldには高圧的なイメージはなく、もっと丁寧に言いたいのであれば、might(〜されたらいかがですか)を使って、

 You might try to call the downtown library.(中央図書館にでんわをかけてみてはいかがですか)
などのように言えます。
本Dには次のような記述がある。「had betterは、特にYou had better〜と使うと、警告とか忠告とか命令のニュアンスをともなうので、注意しておかなければならない。日本語の「〜したほうがよい」の訳は、I think you're supposed to 〜とか It might be better to 〜にあたる。
 以下にhad better の例と日本語訳をあげておこう。You'd better come to class on time. (君は授業に遅れちゃダメだよ)[そうしないと罰されるかもしれない]
John had better not ask me to work on Sunday.(ジョンは私に日曜日に働けなんていってはダメだ)[そんなことをいったら私は怒る]
You'd betterstudy hard or you're going to fail.(一生けんめいべんきょうしなきゃあダメじゃないか、落第するよ)」
本Fは英文法をめぐる河合塾講師の新津氏と河合文化研究所の里中氏との対談である。その中に誤解表現ー英語と日本語の間と題した第2話の最初に取り上げられている。
 「<had better=may as well>
新津: 助動詞というと、まず気になるのはやっぱり<had better>の使い方やね。You had better〜とYou might as well〜をイコールで結ぶ大学入試の問題。あれは、そろそろ絶滅してほしいね。
里中: あれはヒドイですね。ネイティブ・スピーカーに聞くと、You had better 〜(〜しなさい)の背後には、or〜、つまり「さもないと〜ですよ」という表現 新津: You'd better 〜 は「上」から「下」への、あるいは親から子への命令口調の表現なんや。You'd better brush your teeth now. It's about time for you to go to bed. (そろそろ歯を磨いて、寝なさい)みたいに使う。友人に対して使う場合もあるんやけど、ほんとに気ごころの知れた相手にしか使わへん。」
本Bは「日本人だけしか使わないヘンな英語」の中で触れられている。
「had betterの間違いが、日本人英語として最悪かもしれない。You had better do it soon. 「あなたは、それを、さっさとやった方がいいですよ」で、had betterは、「〜した方がいい」ということに、長年、なっている。ところが、そうではない。このhad better は、「〜しなさい。しないと、怖いぞー(あとでお仕置きが待っているゾ)」というのが正しい訳である。日本人は、ほとんどの人が、つまり、大企業の外国営業部の相当の英語の使い手までが、このhad betterを「〜した方がいい」と信じ込んで使っている。これが、相手の英語国民にとってショックなのである。(中略) had betterは使うべきでない表現だが、そのかわりにshouldをどんどん使うとよい。
  You should do it at once.「それを、早急になさったらいかがですか」となって、should は私たちが「べき」だと思っているから、命令口調かと思うとそうではない。should は、相手に対する提言を含んだ上品な表現である。mustは強すぎる。You must do it soon. 「あなたは、それをすぐにやれ」となって、いかにも命令口調であるから好ましくない。should を使うのが、ベストである。」
 以上の引用箇所から、いかにhad betterが間違って教えられてきたかがわかる。では、辞書にはどのように説明されているだろうか。
辞書@では「(4)『had better+動詞の原形」』で『・・・したほうがいい』という意味になります。ただし、You had better...は『忠告』や『軽い命令」』を表すので目上の人には使いません。
辞書Aでは主語が二人称の場合、文脈・音調によっては警告・押しつけがましさの意を含むことがあるので通例目下の人に対して用いる: You'd better do it.(文末を下げる)そうするのがよい(忠告)
You'd better do it. (文末を上げる)そうした方がよい(さもないと・・・)、そうした方が身のためですよ(警告)(5)目上の人に対しては Maybe [Perhaps ] you'd better do it. / It would [might] be better for you to do it. / It would [might] suggest [suppose, recommend] you do it. / You should [would be better to ] do it. などが無難。」
 ここでは、文末を上げるか下げるかでもニュアンスが変わってくることを示している。
文法書@では慣用的表現として「a) had better〜「したほうがよい」の<参考>で、主格が2人称のときは、強い命令的な口調になるので目上の人などに対しては使わない方がよい」とある。
文法書Aでは、次のような例文がある。「You had better make hotel reservation before you leave Japan.(日本を出る前にホテルの予約を取っておくほうがいい)」
解説で「had better には多少命令的な感じが伴うので、一般にはIt would be better for you to 〜の形を使う方が丁寧になる。
 It would be better for you to make hetel reservations....」
英英辞典@は「would be wise to: You'd better not say that. ○Hadn't we better take an unbrella?
○ I had better (ie I think I should) begin by introducing myself.」
英英辞典Aには「ought to, should: I had better be going now; it's late.||The company is going to lay off 3,200 workers? You had better believe it; it was just announced.」
英英辞典では、上で引用した日本語の文献ほど、上から下へのきびしい表現だ、とは述べていない。身近にいるネイティブスピーカーにたずねてみることと、had better=〜したほうがいい、は単純には言えないことを気をつけながら使う必要がある。

(2)wh疑問文は下降調、yes/no疑問文は上昇調か?

 教室ではwh疑問文は下降調で、 yes/no疑問文は上昇調で言うように指導する。しかし、ラジオの英語講座などを聞いていると、そうでない場合もいくらでもある。でも、下降調で読むべきところを上昇調で言うのか、その違いはどこにあるか、ということについてはっきりと書いてある本にであうことがなかった。こうした疑問にずばり答えてくれたのが本@である。
上のタイトルを掲げてから次のように述べている。
 「中学英語で一般的なイントネーションの概念について学習します。それは肯定文やwh疑問文は下降調で、yes/no疑問文は上昇調のイントネーションをとるというものです。ほかの文、たとえば選択疑問文ではor の前で上昇調で文末は下降調になる、と習います。ところが、これはあくまでおよその区別の仕方であって、実際にはこれには当てはまらないことがよく起きます。
・What is your name?(上昇調)(*原文では上昇調の矢印で表記。以下同じ。)
・Where do you live?(上昇調)
・How do you come to school?(上昇調)
・Why did you choose this college?(上昇調)
以下の例文のように、wh疑問文でありながら、これを多少上げ調子で言った方が相手に対して穏やかな印象を与えるのです。反対に下げ調子で言えば、相手を尋問しているかのような威圧的な感じを与えることにもなるので、かえって注意しなければならないことになります。
 ・Would you like tea or coffee?(上昇調)
 ・Do you live in a house or an apartment?(上昇調)
などの選択疑問文もorの前で上げ調子、文末で下げ調子ではなく、通常のyes/no疑問文(単文)と同じように順に上げていくことがあります。こうすることで、会話にやわらか味やあたたか味が出てくるのです。」
 この本@には別のところでも「英語のイントネーションはさまざま」というタイトルで英語のイントネーションが触れられている。
 「第1章ですこし述べましたが、「wh疑問文は下降調のイントネーション、yes/no疑問文は上昇調のイントネーションをとる」と覚えてしまうと、それ以外の使い方が不自然だと思ってしまいます。イントネーションは人の育った家庭環境、地域、職業等によってかなり違っていますので、アクセントの位置と同様不変ではないのです。また、イギリス英語では、yes/no疑問文であっても軽い下降調のイントネーションを使うことがよくあります。これは単に確認している程度のニュアンスが生じます。
 ・Is this the place you were talking about?(下降調)
(以下略)」
本Gでもイントネーションはいろいろなケースのあることに触れている。「このように一般的な規則はあるのですが、実際にはいろいろなケースがあります。疑問詞で始まる疑問文でも、文末を軽く上げると語調がやわらかくなりますし、また、平叙文でも you are studen?(上昇調)というぐあいに文末を上げると疑問の意味になります。そのように、What are you doing?という文も、話す人の気持ちによってはイントネーションが変わります。子どもに『なにして遊んでるの?』とやさしく話しかける場合はWhat are you doing?(上昇調)とあがりますが、「あんた何やってんのよ!」と怒って言うときには What are you doing?(平板調)となります。また、 I beg your pardon という文章も、イントネーションによって二通りの意味を持ってきます。文末を上げて I beg your pardon?(上昇調)と言うと、「もう一度くりかえしてください」と依頼する表現になりますが、文末を下げて I beg yjour pardon?(下降調)と言うとI'm very sorryと謝るのと同じ意味になるのです。」
もちろんはじめからイントネーションには決まりはない、というと生徒たちは混乱をきたすので、原則を教えて、その後実際に原則にあわない事例が出てきたときに、この場合はこうしたニュアンスがある、と教えていけばいいと思う。しかし、教える側はイントネーションに関して本@やGで述べられていることはふまえておかなければならない。こうしたことは、イントネーションだけに限ったことではない。ふだんからいろんな本などで現代英語に関する情報を収集しておくことが大事である。ずっと昔に習ったことを後生大事に目の前の生徒たちに教えていても、教室内ではそれでも通用するかも知れないが、生徒たちが社会に出て生の英語に接したとき、混乱し、はては学校で習った、いわゆる学校英語を恨みに思ったりしかねないのである。情報収集は本ばかりではない。学校にはALTというネイティブスピーカーがいる。たえず問題意識をもっていれば、いくらでも有益な情報を得ることができる。本Cでは第10章「日本の英語教育が抱える深刻な問題点」(6)でつぎのように書いている。「このALTたちを本当に活用するというのであれば、まず、中学・高校の英語教師たち自身が、このALTた ちに『この英文でいいのか』『自分の書いたこの下手くそな英文を添削してくれ』と正直で素朴な英語の質問ができる制度を保証するすることである。生徒に教えるどころではない。教師たち自身がを本物の英語に触れさせることの方が先決である。」この中の「正直で素朴な英語の質問ができる制度」というのが今少しわかりにくいが、身近にいるネイティブスピーカーを活用することに異論はない。問題は、一人ひとりの教師にいかに問題意識があるか、ということである。
また、コミュニケーションというのは、伝えたいことがあり、たずねたいことがあってはじめて成立するのである。内容がなくて、英語がぺらぺらなどということは本来あり得ないことである。

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